令和6年4月1日、土佐神社(しなね様)鎮守の森の桜にも見守られる中、配属先施設の管理者及び担当リーダー職員20名余りと共に、福祉専門学校を卒職された5名と高等学校を卒業された1名の「辞令交付式」が特別養護老人ホームウエルプラザ高知・ウエルプラザホールにて執り行われました。
緊張の面持ちの新入職員一人ひとりに氏名・職種・配属先の順に読み上げ、しっかりと手渡すことができましたことを嬉しく思います。式典直後の研修プログラムでは、法人にとっても職員にとっても重要な人権研修が行われました。福祉の職場に入職したから特に人権という事ではなく〝常日頃から人を思いやる気持ちが基本ですよ〟を再確認していただけたのではないかと考えています。
配属地となる高知市エリア、香美市エリア、芸西エリアの事業実施地域において、ご利用者とご家族の願いを感じ取り、業務に精励し、心身ともに健康で永く活躍していただけることを願ってなりません。
高知県の人口減少が止まる気配を感じさせません。県の推計人口が4月1日時点で66万人を割り込んだ報道を耳にしました。ここ3年を見ると1年ごとに1万人ほど減るなど、急速に人口減少が進んでおり、今後県の人口がさらに少なくなる見込みです。また去年の出生者数は3,380人と全国最小レベルとなっています。地域住民が日常生活を送るために必要な各種サービスは、一定の人口規模のうえに成り立っており、人口が減少し想定以上に過疎化が進むと、金融機関・飲食店・小売店・交通移動等のサービスの縮小や撤退につながっています。その結果として生活に必要な商品やサービスを入手することが困難になっている状況を身近に感じるようになりました。私たちの福祉介護サービスや関連する医療サービスにおいても同様のことが考えられます。少子高齢化は生産年齢人口減少であり、介護労働者賃金の改善による人材確保は喫緊の課題でした。介護・障害等業界団体からの正確なデータとエビデンスの提供により、令和6年度診療報酬・介護報酬・障害報酬のトリプル改定において念願でした報酬引き上げが実施されるとともに、介護職員等処遇改善加算により職種間の格差是正に踏み出すことが可能になりました。
今後も職員の処遇改善は確実に進んでいくと考えますが、人口減少は高齢・障害・児童等全ての年齢層にわたってくるので、福祉サービス事業の全てに影響を及ぼしてきます。法人の事業地である高知市と高知県中央東地区の人口はと云うと、高知市(314,000人)、南国市(45,600人)、香南市(32,700人)、香美市(24,700人)、芸西村(3,500人)の4市1村で420,000人余りとなり、高知県の65%近くの方々が暮らされている地域となります。人口では問題はないように感じますが、高知市を除くと中山間地域であり、特に香美市物部町と芸西村は現在でも対策が必要ですし、他の市町も同様になってくるでしょう。
社会福祉法人として、安定経営(収益)を追求しつつ、中山間地域で求められる暮らしを支える活動や責務となっている公益的な取り組みの充実(奉仕)という二正面課題を推し進めるパワーが求められています。グループ法人である福祉・医療・給食の三法人の統合による合理化と生産性向上から得られる資金や人材を一元管理に集約することがパワーアップに繋がるのではないかと考えています。
2024年4月1日 社会福祉法人 理事長 楠 目 隆 |
(1)働き方改革の実行
①ICT・ロボット・AI等の活用と生産性の向上
②働きやすい職場環境づくり(福祉人材確保・育成・定着・子育て支援)
③処遇改善施策への対応
(SDGs17ゴールのうち3.5.8.9)
(2)財務健全化の推進
①事業計画及び予算執行の厳守
②ガバナンスと高い透明性の確立
③物価高騰への対応
(SDGs17ゴールのうち7.8.12.13)
(3)災害対策基盤整備の強化
①BCP・BCM・BCMS・災害福祉派遣チーム(DWAT)育成
②福祉避難所のシミュレーション(災害時支援・受援体制の構築)
*感染症発生を想定したBCP・BCM及び離職防止対応
(SDGs17ゴールのうち3.5.11)
(4)公益的取り組みの実践
①「高知型地域共生社会」への参画推進
②複数社会福祉法人連携及び社会福祉協議会連携
③農福連携の取組推進
(SDGs17ゴールのうち1.2.3.5.11.15)